ドラえもん社労士のBSC戦略労務メルマガ
2022年11月1日号
いつもお世話になります。ドラえもん社労士でBSC戦略労務コンサルタントの光吉です。
職場におけるルールといえば真っ先に「就業規則」が挙げられます。会社が守らなければならないルールは労働基準法を始めとする労働関連法ですが、職場の従業員が守らなければならないルールをまとめたものが「就業規則」です。
従業員が守らなければならない「就業規則」ですが、同時に会社を守る盾になります。採用、解雇、服務、懲戒等の規定において具体的に明記しておくことで労務トラブルのリスクを軽減させる抑止効果になり、労務トラブルが発生した場合も調停、あっせん、労働審判、訴訟の際に会社を守るエビデンスになります。
ただ、私は思うのです。会社と社員の関係性が一方的な指揮命令的なコミュニケーションの関係ではなく、お互いの尊厳と主体性を重んじた双方向のコミュニケーションの関係であるパートナーシップで結ばれた信頼関係を築き心理的安全性の高い働きやすい職場を創らなければ、今の世の中、従業員は定着せず、会社の生産性や業績の向上という会社の目的を果たすことはできないのではと。
そのための「就業規則」としては、従業員が守らなければならない会社を守る規定にすることは当然ながら、従業員およびお客様と会社の三方よしの発展と幸福をうたった行動規範になる規定にすべきだと思います。
イソップ物語の「北風と太陽」から学べる教訓の「説得は暴力に勝る」に類似する教訓として、「納得は強制に勝る」です。北風より太陽です。
会社が発展するために必要なものとして、「経営資源」と「ルール」があります。車に例えるならエンジンとハンドルにあたる部分です。ヒト・モノ・カネなどの経営資源を最大限にいかすために、明解で納得できるルールの存在は不可欠です。「経営資源」と「ルール」、どちらか一方では満足に走ることもできません。
経営資源の中でも特に「ヒト」を活かすことができるかどうかが、会社の将来を大きく左右します。規模よりもスピード、量よりも質で勝負が決まる時代になったのです。